2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

花明りむかしむかしで眠り落つ はるみ

私たちの10年があまり変化がないのに比べて、若い人たちの10年は、目をみはるような変化をする。家に泊まりに来ると、キャッチボールをしたり、魚釣りをしていた少年が、大学受験の報告に上京した。今までも大きくなったと思っていたが、家の中で会うの…

亀鳴いて絵皿にもどる唐子かな はるみ

雪の京都に行ってきました。気温は4度。ちょっと覚悟がいりました。 冬から春の京都は非公開の文化財が特別公開されているのですが、この度の収穫は時ならぬ春の雪でした。鳴き龍で知られる相国寺の日本最古の法堂(はっとう)に積る雪や、はらはらと松の枝…

春浅し風にもつるる絵馬の色 はるみ

昨日、さる神社を通りかかったら、比較的新しい絵馬が寒々と風に揺れていた。近くによって見ると、ほとんどが合格祈願。「第一志望に受かりますように。」「今年で浪人を終わらせて下さい。」「2人揃って受かりますように。」というのもあって、それぞれの…

猫の子の横切るを待つ三輪車 はるみ

立春が過ぎても今年は寒い、久しぶりにテニスをしていたら、コートの端を猫が通った。「おーい、猫」と友人が呼んだけれど、立ち止まりもせず行ってしまった。なにか、急ぎの用事でもあったのだろう。それとも、名前があるのに失礼な、と怒ったのだろうか。 …

丸善に読書席あり菜の花忌 はるみ

2月になると、今年の手帳も手に馴染んでくる。愛用のものは英国のLETTS社の、黒皮の手帳。初めて丸善で買ったのは、1982年なので丁度今年で30年目になる。初めは薄くてなかなかおシャレなのだが、映画、芝居、展覧会etcのチケットの半券を貼ったりし…

鳥曇神の大き手肩にあり はるみ

昨年、この季節に、居間のテラスのトネリコの植木鉢に林檎を吊るしてみた。するとたちまち、鳥たちの訪問が始まった。こちらが朝ご飯をたべていると、チチチチなきながら、目の前の林檎を食べ始める。まっかな林檎をつつくと若草色の枝がさわさわ揺れて、「…

犬駈けてたちまち新雪汚しけり はるみ

今年の日本はどうしたのだろう。この数年、暖冬だんとうと言っていたのが嘘のよう。雪だるまをつくったり、雪合戦をする雪とは別物の、魔人のような雪がテレビで連日報道されている。 毎年、冬の軽井沢では、朝の散歩で、狐の足跡らしいものを見つけたり、庭…