2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

追い越してみたきうなじよ踊笠 岩永はるみ

富山県の風の盆にいったのは、十五年ほど前だろうか。一年前から宿の予約をした記憶がある。酔芙蓉の花がうす桃色になった頃、胡弓の調べで、揃いの浴衣が街を踊りながら流していく。踊り手の顔は笠で見えないが、顎のあたりやうなじが若々しく匂うよう。 聞…

時計なき暮しを揺らすハンモック はるみ

少し揺れている高い枝の先を、栗鼠がまるで小径を走るように渡っていく。久しぶりにハンモックで本を読んでいて、ふと梢の先の空を見ていたら、小鳥に混じって栗鼠の姿をみつけた。高原では毎年、暦と同じ感覚で秋が来る。 今日、立秋に読んでいる本は、『し…