2014-01-01から1年間の記事一覧

端居して松の枝ぶり見てゐたる  はるみ

少し疲れたなと思うと軽井沢の家に出かける。新幹線に乗ってぼんやり窓の外を見ているだけで身体が軽くなるような気がする。家についたら散歩をしよう、もし、コーヒーの豆がなかったら、近くの「ハルニレテラス」に散歩がてら買いにいこう、などと思ってい…

父の日の雀来てゐる水たまり  はるみ

子供時代から成長期にかけて、思い出すと恥ずかしい位、典型的なファザコンだったように思う。明治生まれなのに朝食はトマトジュースとオートミール、半熟卵、ハム。寝るときはドイツ製のベッドという、なんというか鼻持ちならない西洋かぶれの暮らしぶりだ…

梅が香やなにをさがしに二階まで  はるみ

これは隣の町の一軒家に住んでいた頃の俳句。ちょっと寒いから上着を着ていこう、と思って2階に上がってみたものの、ちょうど窓の外の桜の枝に鳩がきていて見とれているうちに、「?」ということになってしまった。当時はそれが珍しかった。 それから、何年…

二ン月の修羅ぬけてきし十二歳  はるみ

数日前、電車の中で本を読んでいたら私の肩に頭をのせて熟睡している少年がいた。よほど眠いに違いないとそのままにしておいた。新宿を出てすぐに気がついたけれど、いくつも駅を通過するのに寝息は途切れない。あと2駅で下りなくちゃ、お隣は何処まで行く…

松過ぎの画廊二つを回りけり  はるみ

お正月すぎに日経新聞を読んでいてびっくりしたことがある。歌人の馬場あき子さんが文芸欄にかかれた随想に、今年一家で100個の餅を焼くという歌を見たとあった。お雑煮に1つか2つしかお餅を入れないわが家では想像も出来ない。 その文章によると昔の日…