春浅し風にもつるる絵馬の色 はるみ

 昨日、さる神社を通りかかったら、比較的新しい絵馬が寒々と風に揺れていた。近くによって見ると、ほとんどが合格祈願。「第一志望に受かりますように。」「今年で浪人を終わらせて下さい。」「2人揃って受かりますように。」というのもあって、それぞれの真剣な気持ちが伝わってくる。
 昨日読んだ、鈴木しげをさんの句集に、「今年また受験子のいる二階かな」の句がのっていた。この二階の重さは親ならではの実感だと思う。
 わたしの長女の家も高校3年生がいる。こちらからは、なんにも聞かないけれど、受験生のいる家庭の張りつめた空気を思っている。
 そして、今、私は携帯の音にいつも聞き耳をたてている。