山裾の駅舎眠たし桐の花 はるみ

軽井沢の野鳥の森の中に、昔から天然の湧き水で出来た池がある。冬はスケート場になって、土地の子どもたちが遊んでいたらしい。それが、数年前に人工の手を加えて素敵なスケート場になった。10メートルはある池の土をすくい、新しい土を入れて電線を通した。今は観光地図にも載っている。
うちの子供達は滑りに行ったことがあるらしいけれど、私が今さらスケートをする訳もなく、その事は忘れるていた。
ところが、 この間野鳥の森に散歩に出かけて偶然その池に出た。
池は真っ青な空を映し、真っ白な雲を浮かべ, 花が咲き、鳥が鳴き、アリスの国のよう。
おたまじゃくしが泳いでいると思って見ていたら、小さな立て札があり、道をカエルが通ります。とある。みていると、生まれたばかりのカエルが横断中。
ちっちゃいなーと覗いていたら、小学校3年生ぐらいの男の子がとなりにきて、「あのね、さっき僕、こーんな大きなカエル見たんだよ」とてのひらを大きく開いて言う。「あ、それヒキガエルじゃない?」というと、彼はきっぱりと「違うよカエルの王様だよ」と答えた。
初夏の高原で、カエルの王様に会うなんて、誰にでもある事とは思えない。