身幅ほど雪掻いてあり女坂  はるみ

 今週は何十年ぶりかの大雪が降り、東京の交通網と道路が混乱した。このことはかなり前から予告されており、なぜ、備えをしなかったのか、不思議でならない。
 ちなみに当日は夕方から大雪になると言う予告があった。その日、仕事の予定が入っていた私は、「こんな時に」と思ったけれど、一と月に数日の俳誌編集の仕事なので、休むという選択肢はなかった。それならと、雪の前に仕事をすませることにした。本来、10時スタートの事務所だけれど、6時40分に出発。8時事務所着で3時退出。。ほぼ予定通りの仕事をした。
 ただ、実際は事務所のある錦糸町駅についた時は、すでに雪が降り始めていて、内心はどきどきしながらの仕事。最近の気象庁の予報は絶対当る、と自分に言い聞かせていた。
 でも、ときどき近所の都立墨東病院にくる救急車のサイレンがきこえて、あの3月11日のように、帰宅出来なくなったら、と思うと気が気ではなかった。
 あれから4日、身幅ほど雪の掻いてあった住宅街の坂道もほぼ雪が消え、ところどころの雪だるまや、かまくらが残っているばかり。