雪のせて野仏の肩なほまろき  はるみ

 日本各地から雪の便りが届く、ほんの半月前は暖冬を嘆いていたのに、修正された長期予報は厳冬に変わったらしい。すると、テレビではしきりに雪の被害が報じられている。年寄りだけの家庭の雪下ろしが出来なくて、役所が手配をしているらしい。都会の子供が一年に一度、屋根は無理でも地方に道路の雪かきに行くなどという企画があってもいいのじゃないか、と毎年思ったりしてする。田舎の庭に雪が降ったときの子供たちのたいそうな働きぶりを見ているとそんなことを時々思う。山の道に数日のあいだ子供たちの声がひびくのもよさそう。
 それはさておき、雪がふると、雪だるまの背が伸びる。夜中にひとまわり大きくなった雪だるまを今年のお正月はまだ見ていなかった。バケツの帽子、バーベキュー用の墨の目、そして人参の鼻、木の枝の手、とびきり寒い朝は、時々枝の手の先に孫娘の毛糸のてぶくろがつけてあった。