落葉掃く空に鳥声しきりなり  はるみ

  ひと月ほど前に転居した。もともと27年ほど住んでいた町に戻った。今度の住まいは駅から7、8分のところろ、前の5、6分より少し遠いけれど、毎朝鳥の声で目を覚ます。「まるで軽井沢の朝のよう」と思っていた。ところが、昨夜からの大雨の中、今朝も小鳥の声が確かに聴こえる。驚いて目を覚ました。それも一羽や2羽の鳴き声ではない。カーテンを開けると、雨脚が白く見えるほどの雨の中、数羽の鳥が枝をわたり、柿をたべている。
 軽井沢では雨上がりは小鳥の声がシグナルだった。鳥が鳴出すと「雨が上がったんだ」と散歩に出かける。もしかすると、世田谷といえども、都会の鳥はお天気になど、頓着してはいられないのかもしれない。