菜の花や一人で行けば遠き道  はるみ

 パリやニューヨークへ行く飛行機は途中で給油しないから、13時間ぐらい乗っていなければいけない。それが苦痛とよく聞く。ところが、この間あった知人はなんと13時間友達とおしゃべりしてたら、ついてしまったという。そんなに話すことがあるのだろうか。
 映画をみて、本を読んで、仮眠をして、それでも持て余すあの空間で。  と思ったら、ある人を思い浮かべて名案が浮かんだ。その方は俳句が何より好きで、いつも次から次へと季語を決めたり、読み込みの字を決めて俳句を作っていらっしゃる。そうすると、案外13時間はあっという間かも知れない。
 私自身は、ぼーっと窓の景色を見ているのが好きで俳句を作るのは無理かもしれない。
 窓の外と言えば、ヨーロッパの空港は着陸態勢になると、小さな村の教会や牧場が見えたりして楽しいけれど、ニューヨークに近づいた時は、空からたくさんの野球場が見えて「野球ってアメリカの物なんだ」と当たり前のことに妙に感心した。