讃美歌に和す鳥声や復活祭 はるみ

 むかし、フランスの田舎の行けども行けどもジャガイモ畑を走っていると、遠くに十字架が見えて、それが村に近づいたしるしだった。どんな小さな村にも教会があって、通り過ぎるとまたジャガイモ畑があって‥‥。
 軽井沢の星野温泉の近くに、ちょうど、そんな小さ教会がある。フランスのように石作りではなく木造の教会。十字架のある正面の聖壇の向う側がガラスばりになっていて、木々の季節の移ろいを見ながら礼拝を守ることの出来る、私にとって天国に近いような場所。
 讃美歌を歌っていると、窓の向こう側で小鳥たちも歌う。彼らはいつも囀っているのだから、本当は私たちが、鳥たちに合わせているのかもしれないが、讃美歌に合わせているようで、特別な礼拝を守ることができる。
 よく結婚式も行われていて、そんな時、もちろん鳥たちは惜しみなく歌い二人を祝福している。