公園に猫の新顔日脚伸ぶ  はるみ

 猫は人に懐かない、と言われるけれど、猫同士はずいぶん仲良しで、いつも通る公園の隅は、風が来ないからか、夕暮れになると猫が集まっている。散歩や買い物の帰りに見ているので、顔ぶれは大抵覚えているけれど、近頃新顔があらわれた。 日本種ではなくて、毛足が長めでグレーとブルーの混じったような色合い。多分、まだ一人前にはなっていない様である。雄かメスかも不明。
 これが古株の猫のそばに恐れる様子もなく寄っていく。先輩はさりげなく少し離れる。また近づく、また離れる。最後はどうなるのかしら、と気になったが、こちらも用事があって、その時は通り過ぎた。
 ところが数日して通ったら、二匹はぺたっとくっついて寝ている。縄張りとかあるんじゃないかしら、大丈夫かしら、いじめにあっていないかしらと、余計な心配をしていたのに、肩すかしをくったよう。でも、その姿をみていたら、寒い寒いといっても、もうすぐ春なんだ、と納得させられたような気がした。
 そう言えば、むかし原宿の掲示板に、「この猫をしりませんか」と猫の手配書が貼ってあった。あのブルーグレーの猫も家出猫かもしれない。